なんとなくの幸せが、俺にとっての罪悪感。

これまで幾度となくぶつかってきた壁というか、悩みというか。

俺が好きなのは女の子。

彼女が好きなのは男。

別に言葉遊びする訳じゃないけど、認識としてはそんな感じ。

歴代・彼女のボーイフレンドとうっかりキスしたことが1度だけあったんだけど、正直、俺は吐き気がした。自分でもびっくりしたし、俺ってやっぱり女の子の方が好きなんだなって思った。

人間誰しも特別な存在に憧れるところがあるし、プラスかマイナスかは別にして、どっか自分って特別なもんじゃんか。俺が女の子好きだってところは、男性的であるキャラクターをつけるためのフレーバーだと思ってた。

これもまた自分で自分を外から眺めているような物言いで変な話なんだけど、俺って最近まで彼女のイマジナリーフレンド だと思ってたから、彼女が作り上げたキャラクター設定だと思ってたんだよね。…………まぁ、それだとしても創作のキャラクターが自分の設定を『設定』だと分かってる時点で変なんだけどさ。

俺は彼女の想像の産物だから、空想の『設定』が現実の肉体に影響するなんて思わなかったんだよね。だから、吐き気がした時にぞっとした。やっぱ、俺って存在しちゃうんじゃね？って。

ぞっとした体験の後、彼女の彼氏に、俺達のことを告げたことがある。彼女は彼のことを信頼しきっていたし、彼も驚きはしたけど受け入れたように見えた。まぁ、見えただけなんだろうけども。

どだい、無理な話なんだよな。みんなで一つの体で共同生活してますよって。でも結局ただのメンヘラだし。全部打ち明けて、全部受け入れてもらおうなんてさ、虫のいい話だって。俺はそう思う。散々訳わかんないこと言って、でも好きでいてくださいとか、ある種のワガママでしかない。

だから、彼が彼女のことを「もう、幸せにしたいと思わなくなった」と言ったことも、俺は割としょうがないよなって思ってる。彼女はまだショックみたいだけど。

(数年経ってる上に新しい彼氏できたんだから、いい加減ふっ切れろよ、と俺は思う。)

ちょっと前に、DIDのYoutuberの人が、別人格に別の恋人がいた場合は浮気か？みたいな話をアップしてるのを見かけた。俺はIFかDIDか、あやふやな人間だから、あんまり「同じ気持ち」と言っていいか分かんないんだけど、彼女の彼氏は、やっぱり俺の彼氏じゃないわけで。

でも体は同じだし精神の根っこは結局同じ1人の人間だから、社会的な個体に付けられた名前に代表するこの存在？体？は、イマカレの恋人な訳で。

あーもう、何が言いたいのか分かんなくなってきた。笑

例えば、彼女の彼氏がAさんで、姫の彼氏がBさんだとしたら、Aさん視点で彼女は浮気してるし、Bさん視点でも浮気になるわけ。

じゃ、俺視点はどうなるかっていうと、Aさんは彼女の彼氏だし、Bさんは姫の彼氏だから、俺は親戚か姉妹の彼氏程度の認識なんだよね。

どうやっても、Aさんを俺の彼氏と認識できない。だって、Aさんは俺のこと、知らないんだから。

Aさんは、俺のことを、知らない。

俺は、Aさんのことを、それなりに知ってる。

彼女の記憶の中で、「一緒にのんびりできて、幸せ」と、幸せそうに言うAさんに、俺の罪悪感が半端無い。彼女が幸せに思ってる瞬間だから、なおさら。

普通の人にはない、俺って存在がいることを話していないことが、騙していることになるような気もするし、話したら話したで、全てを受け入れてくれと押し付けるのも身勝手に思うし。彼女と2人の時間を俺が勝手に覗き見てるみたいな気分になるし。俺、男とイチャイチャできないし。

そうなんだよ、すげーイライラするんだよ、たまに。

これはもう個人的な話だけど、ぶっちゃけ恥ずかしい。あーもうイチャイチャすんな、やめんか恥ずかしい！って、下手に彼女の記憶を再生するたびに目を覆いたくなる(覆ったところで意味ないけど)。

それから、俺もいるって認めて欲しい欲が出る。俺という存在を認識して欲しいって欲が。

アホな話、俺は俺の存在を定義できないって、正直俺は彼女の人生においていない方がいいって言いながら、俺の存在を確認したくて仕方ないってわけだ。

いや、彼女が俺を作ったと仮定すると、俺の存在を手放さないために、俺の設定を強固なものにするために、頭を絞った？

今、ブログを書きながら、俺らしく書けてることに正直安心してる。

よかった、俺、まだちゃんとここにいるって。

それを思ってるのは、もしかしたら彼女の方かもしれないけど。

彼女が安定しているから、俺と鈴以外はあんまり出てこないんだけど、他の奴らはどう思うんだろう？佐藤さん辺りは「興味ない」って言いそう。笑